前回の記事でパワハラを行う人の心理についてまとめました。
パワハラの原因の多くは、パワハラを行う人の内的要因が元となっています。
そもそも精神的に健康な人であれば、他人に対して攻撃したりマウントを取ったりする必要はないですから、、、。
パワハラ行為者の心理を知っておけば、いざそのような人を見た時に、自分や周囲の非ではなく、その人の内面に問題があるんだな、と客観的に、冷静に、対処することができると思い紹介をしました。
詳しくは前回の記事「パワハラを行う人の心理8選」をご覧ください。
今回の記事ではパワハラが起きやすい職場について紹介します。
目次
- 1、職場のソーシャルキャピタルが高い
- 2、要求度やプレッシャーが高く、仕事での裁量や自由度が低い
- 3、仕事の範囲や責任が曖昧
- 4、職場の雰囲気が砕けすぎている
- 5、放任型リーダーの元ではパワハラが起きやすい
- 6、立場が上になると人は横暴になりやすい
- まとめ
1、職場のソーシャルキャピタルが高い
ソーシャルキャピタルとは、
人々の協調行動を活発にすることによって社会の効率性を高めることのできる、「信頼」「規範」「ネットワーク」といった社会組織の特徴
(厚生労働省)
と定義されています。少し難しく書かれていて良く分からないかと思いますが、簡単に言うと、「職員同士が信頼でき、安心して円滑なコミュニケーションが行える職場の人間関係」と言い換えることができるかと思います。このような職場では、職場全体が効率良く動き、効率や生産性が上がるとされ、物質資本、人的資本と並んで、新しく注目されている社会資源です。
ソーシャルキャピタルが高いと、ワークエンゲイジメントが高く離職意志が低いことが分かっていますが、一方で異質なものを排除する傾向が強くなることが分かっています。他にも、「メンバーへの過剰な要求」「自由の制約」「規範の下方水準化(できる人を下げる、嫌う、古いやり方を踏襲する)」を招くという結果もあるそうです。
まさに、協調性が重視された日本的な職場では、集団活動が問題なく営めるよう、異質な人は排除されやすく、同調圧力も強くなり、良くも悪くも「みんな一緒」を強要させられ、パワハラが起きやすい環境とも言えます。
2、要求度やプレッシャーが高く、仕事での裁量や自由度が低い
ミスが許されないような仕事や自由度が低い環境では、寛容性が低下し相手を攻撃しやすくなります。
3、仕事の範囲や責任が曖昧
仕事の責任が曖昧であると、ミスを押し付けたり、立場の弱い人にミスをなすりつけたりといった行動を助長させてしまいます。
4、職場の雰囲気が砕けすぎている
これは意外かもしれませんが、職場の雰囲気が砕けすぎていると、パワハラが起こりやすくなります。特定の相手に過度ないじりをしたりと、相手が嫌がるかどうか、傷付けてしまうかどうかの意識の低下や配慮の低下を招きます。
5、放任型リーダーの元ではパワハラが起きやすい
これも上記と被るところがありますが、リーダーが放任主義で部下たちの仕事や職場環境に対し何もしない人であると、たとえ初めは小さな問題であっても段々と大きくなってしまったり、職員たちの言動に抑制がかかりにくく、節度を持った行動が取れなくなってしまいます。リーダーはダメなことはダメと言える人材でなければいけません。
6、立場が上になると人は横暴になりやすい
そもそも、人は立場が上になると
1)相手に対する共感や同情、慈悲の気持ちが減る
2)自己利益や権利意識が強くなる
3)相手の不利益を顧みなくなる
4)非倫理的な行動をしやすくなる
5)他人の感情を読み取れなくなる
と言うことが数々の実験で明らかになっています。
自身の承認や成功を自分の努力の結果だと認識してしまうと、「自分は選ばれた人間なのだ」と錯覚し、「自分の言うことに従うべき」「自分のように在るべき」という思考になり、次第にパワハラに繋がるのです。
まとめ
以上、パワハラが起きやすい環境について6個挙げました。
職場全体の寛容性が低かったり、仕事をする上で最低限必要な礼儀を守ろうとする雰囲気がなくなってしまうとパワハラは起きやすくなるようです。
ある程度規範はありつつも、個人の自由度が高く寛容性がある職場が望ましいですね。実際に入ってみないと分からないと思いますが、プレッシャーの大きい仕事や裁量権が小さい仕事、チームの輪が重視されるような仕事など、仕事内容によってもある程度パワハラが起きやすいかどうかは予測できそうです。
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パワハラについては過去の記事も参照下さい。